2022-01-01から1年間の記事一覧
youtu.be 2020年の4月ごろからコロナ禍という言葉で形容される時代の中で生きることになって、そこからの日々は今振り返ると正直キツかった。ユニクロのエアリズムマスクが発売されても売り切れていたので買えず、最初は使い捨てのマスクを使い捨てずに使い…
youtu.be ラナ・デル・レイの来年リリースされる新作からのリードトラックが先日リリースされていて、”Did you know that there’s a tunnel under Ocean Blvd”という長い曲名を目にした時には少し笑ってしまった。この曲名の長さには懇願のような気持ちも含…
youtu.be 「その着せ替え人形は恋をする」において印象的だったのは「距離」についての描写で、第二話なんかは長さを計測すること自体が物語になってもいた。なりたいものになろうとすること、わかり合おうとすることは「距離」との闘いなのだということを五…
youtu.be Tohjiが嫌いな冬がいよいよ本格的に始まろうとしているなと痛感せざるを得ない寒さに最近は震えながら過ごしている。まだ暑かった頃には毎日繰り返し”ULTRA RARE”とか”Super Ocean Man”のMVを見ていたけれど、さすがに今見ると風や水が冷たそうだな…
youtu.be 「新時代」というフレーズが作品鑑賞後になんとなく思い浮かんだ。ワンピースの映画は観ていないのだけれどAdoによる「新時代」は何度か聴いたことがあって、それは個人的に大好きなラッパーであるKamuiが「あれは喰らった」というようなことを以前…
youtu.be 演技の能力の高さというよりもとにかく…顔、だろうか。俳優の演技としてのエゴを限りなく抑え込んだが故に滲み出した香川照之自身の抱えているなにかが物語を駆動させていく。作品の構造自体もそうだけれど、なにより香川照之と宮松、そして山下と…
youtu.be 自分自身の中に宿る愛のような感情に酔いしれてしまっている瞬間がよくある気がする。誰かやなにかを好きだ、大切だと思う気持ち。それを愛だと考えるのはとても腑に落ちやすい思考の経路であるし、なんだか気持ちがいいものだとも思う。しかし、落…
youtu.be 他人の過去の話はどうしてどれも面白そうに聞こえるのだろうか。自分自身の過去にはいくら思い出そうとしても特にパッとしたエピソードがなくてひどく味気ない。ほとんどの場合において実は他人の方が自分より豊富な経験を積んでいたり苦労している…
youtu.be 死への恐怖がひとを創作という行為に向かわせる、というとなんだかやたらとしんどい感じにはなってしまうだろうけれど、マイク・フラナガンによる「真夜中のミサ」や「ミッドナイトクラブ」なんかはまさにそういう物語であったと思う。死ぬ前に何を…
youtu.be 劇中のセリフの中で一度だけ村上春樹の名前が出てくるが、「ねじまき鳥クロニクル」でも10代の女の子が30代の男性と共に行動していたよなあとぼんやり思い出す。しかし、この作品の主人公は浮気をする妻を必死に追いかけるようなことはしない。窓の…
ありえない曲名シリーズ ナヨン Wretched feat.Earlsweatshirt 北島三郎 Time Goes By feat.大門弥生 福山雅治 STFU feat. Rico Nasty ソニン The Girl with Curry and Rice Remix feat. JP THE WAVY, YZERR, ¥ellow Backs 鈴木雅之 Don't Say That feat. Ch…
真昼のジャングルにそびえたつ名前も知らない高い木々たちはまるで摩天楼のように遥か上空から汗をかいた夏樹と隼人を見下ろしていた。涼しさという概念が天まで吸い込まれていってしまったかのような暑さに加え意味不明な湿度の高さを誇るこの場所において…
youtu.be 繰り返す日常と毎日見る同じ景色、そして自分自身の意識という狭い覗き窓からそれらを感じとること。それが生活という名のリズムを生み出している。 同じ屋根の下に暮らす家族であっても同じテンポで振り付けがピッタリと重なり合うように踊り続け…
youtu.be まるで仙人のような映画だ。説教を垂れるのではなく、そこに進むべき道があること、いや、もうただゆっくりと思うがままに歩んでいけば良いのじゃと言わんばかりに我々を静かに「物語」へと誘ってくれる。それは至高の体験と呼んでもいいかも知れな…
朝から雨が降っていた。普段よりも落ち着いた空気の中を涼しい風が通り抜けてきて、ベッドで横になっていた達夫の肌をスッと撫でた。朝食まではまだ少し時間があるからということで、彼はしばらく寝転がりながら濡れた窓と景色を眺めていた。それは達夫にと…
youtu.be 高橋洋監督による前作「霊的ボリシェヴィキ」において描かれていたのは人間が触れざる領域や力とのすれ違いであったと思う。直接的にはっきりと目にしたり手に触れることはほとんどないが確かに存在していることだけはなぜか確信出来てしまう、言葉…
youtu.be アニメ版チェンソーマンの主題歌は米津玄師の「KICK BACK」という書き下ろしの曲になるそうで、しかもモーニング娘。の「そうだ!We’re ALIVE」からサンプリングしたネタを使っているらしい。実際にモー娘。のその曲を聴いてみたら70年代のディスコ…
youtu.be 「他人の始まり」というフレーズを思い出した。これはECDの著作の中で出てくる言葉だ。家族という続柄や社会的な立場から解き放たれて再びひとりの人間、生き物へと純化していきやがてはこの世界からも逸脱していく。それは泉(菅田将暉)の視点か…
どこまでも真っ直ぐに伸びていくような渇いたアスファルトは真夏の太陽の熱に晒されて蜃気楼にボヤけた空間を生み出していた。その揺らぎを切り裂くように法子は、明るめのブルーの塗装が施された67年型のインパラを走らせていた。カーステレオからはラジオ…
シーラは自由自在に自身の姿を変えることができるが、戦闘には長けていない。暇な時にこっそり忍び込んだ図書館で読んだ生物図鑑でカメレオンの項目を見つけて読んだときは親近感が湧いた。カマキリやバッタも割と近いバイブス持ってるなと感じた。人間は身…
youtu.be 「周りが勝手に動いているだけなんだ」というフレーズが語られるのは今年の5月に劇場公開されていた佐向大監督の「夜を走る」という作品においてだったが、「ZOLA」におけるゾラはどうだったろう?彼女もまた、そんなフィーリングを常に抱え続けな…
youtu.be 「失ったものを再びこの手に取り戻す」という物語の軸になっているプロットや、広大なアメリカの荒野の景色とその大地を駆け抜けていく馬といったような西部劇的なモチーフがメインになっているのは、IMAXカメラによってスペクタクルな映像を作り出…
youtu.be 本編の冒頭で自殺の話をする男とラストでドアを開けるフランシスの姿は対になっており、その両極の間で主人公のブリジットは常に揺れている。死と生、ノスタルジーと前進の間を泣きながら笑って生きる。その姿が現代の家父長制的なシステムの中でタ…
達夫は遠方に暮れていた。大倉から特殊な力を授けてもらったにも関わらず、目の前に広がる景色に大して何も思考が追いつかなかった。 「どうですかな、この場所は?気に入りましたか?」 そう達夫に尋ねる男は顔に微笑みを浮かべながら彼の隣に並んで立って…
open.spotify.com 解けては結ばれ、やがてまた解けていく。再び巡り合う喜びと離ればなれになる悲しみのサイクル。テッド・チャンの「息吹」も同じような構造を持つSF小説ではあったが、Kamuiの「YC2.5」はサイバーパンクアルバムだ。 発展した技術と引き換…
昨日の深夜、渋谷で大規模なテロがあったらしい。 ニュースでも大々的に取り上げられていた。しかし、夏樹はそんなことには全く気づいていなかった。たまたまめんどくさくてテレビをつけずに音楽を聴きながらダラダラと過ごしていたし、SNSを覗くこともなか…
夏の夜空が深く街を飲み込んでいこうとしていた。真夜中の匂いが何人かの人間を追憶の彼方に突き放し、かと思えばうだるような暑さに目を覚ます人間もいた。 そんなボヤけた時間軸の中で、銀の翼をはためかせて夜空を舞う何かがいた。それは達夫だった。かつ…
法子は全てを破壊したい衝動にかられていた。ついさっきまではなんとか冷静さを保ちながら朝食の分の食器を洗ったり洗濯物を干したり猫砂を取り替えたりしていたが、ちょっともうダメそうなところまできてるな、と法子は感じていた。頭が変に熱を帯びてきて…
達夫は千切りキャベツを食べるのに飽き始め、うんざりしていた。せめて残り少ない残金をみじん切りしたらその分お金が増えるみたいな意味わからない魔法があればいいのになとつまらないことを考えながら寝転がっていた。午後の暑さがピークを過ぎた夏の夕暮…
夏樹は油断していた。夏休みに入ってしばらく経ってから数学の課題を学校に置きっぱなしにしていたのに気づいたこと、ただ取りに行くだけだから学校までは私服で行こうかなと考えてしまったこと。そして、家でぐうたらするノリでノーブラのまま街に出てしま…