「デューン 砂の惑星PART 2」鑑賞後メモ

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 IMAXの巨大なスクリーンにとてつもなく巨大なものが現れたり動いている様子が映し出され、さらに緻密に構築されたサウンドデザインの音響や劇伴が全身を貫いていく心地よさ。「デューン」自体は非常に情報量の多いSF小説ではあるものの、ドゥニ・ヴィルヌーヴによるそれは映画鑑賞の快楽性を押し出す方向性に振り切っている。個人的には少し拍子抜けするくらいに物語自体はシンプルに見えるようにまとめられているのは、やはり、とにかく全身で映画を浴びることの喜び、そしてそこにこそ「楽園」が生じうることを本気で信じていることの証だろうと思う(実際、このトーン&マナーで進行してもらえる方が見やすく心地よい)。映画が運動を捉えるものであるということ。ここで用意されている3時間はその大きな物体による運動がゆっくりと時間をかけて我々の心と体を通過していくための時間だ。ポール(ティモシー・シャラメ)がサンドワームに初めて飛び乗るシークエンスは圧巻。

 他にも印象的だったのは、この2020年代のタイミングにおける戦争の描き方で、あくまで単純なカタルシスにはまとめることはせずに、争いや暴力の禍々しさをそのまま抽出していくような映像と音の演出が施されている。復讐という無限の暴力のスパイラル、そして「選ばれし者」という存在に対しての現代的で懐疑的な視線をクールに体現するチャニ(ゼンデイヤ)。「選ばれし者」ですら、結局は既存の物語に踊らされているだけなのではないか、と。この点においては監督の過去作である「ブレードランナー 2049」とも重なる、冷静な自己批評的視点が含まれているようにも感じられた。