「その着せ替え人形は恋をする」鑑賞後メモ

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・この作品を一言で表そうとすると、やたら陳腐な表現に落ちつきそうになる。このアニメの魅力は、いくつかの層が折り重なることで生じているように思われる。それこそ、作中の凝ったコスやメイクのように(?)

・物理的ないし心理的な距離感を対比の構図で浮かび上がらせていく描写が多い。近づいてみることで初めて感じることができる喜びがあるということ?

 決して「憧れ」そのものにはなれないが、だからこそ誰もが固有の美しさを纏うことが可能になる?そこが尊いってカンジ?

 それをアニメや漫画キャラのコスプレというモチーフを使って描いているのが面白い?あと、単純にコスプレ文化の勉強になる?

・五条くんの中では「綺麗さを追い求める視点」と「性愛的な視点」はきっちり区別されている?基本的には前者の気持ちが常に強くあるので、喜多川さんをエッチな視点で見る方向に切り替わるのはいつも後から?

 彼は喜多川さんを恋愛対象としては見ていない?彼女を通して、かつては雛人形からのみ感じ取っていた「綺麗さ」を見つめられることに最大の喜びを感じている?それによって彼の世界は大きく広がった?

・喜多川さんの中での「恥ずかしさ」を感じるかどうかの線引きのされ方が面白い?

 「外交的な自分」と「素(もしくは裸)の自分」を、ギャル的な装飾がされているかどうかで区別している?だからノーブラは気にならなくてもカラコンがないのは気になってしまう?

・2人とも基本的には「同志」として付き合っていて、むしろ気づいたらエロティックな状況に陥りがちな部分はちょっとした障壁になってもいる?だからラブコメのようでそうではない?

・同じ空気は吸えないけれど、同じ宇宙で生きている?だからこそ、せめて寄り添いながら同じ景色を一緒に見ていたい?決して同じ夢を見ることはないとしても。