BAD Feeling/Kamui feat.荘子it

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「BAD Feeling」を聴くことによって、「I am Special」以降のKamuiのフロウは「意識や精神の切り裂かれ」を表現しているのかもしれないと思った。個人的に今まででいちばんKamuiの思想が明確に表現されている楽曲のように感じられた。

単語ごとの既存の区切りを無視していくKamuiのフロウは、そんな「切り裂かれた」状態でもリズムを刻み生きていく、「旅を続け」ようとする姿勢の表れにも読める。

痙攣と眩暈という単語が繰り返し使われる今楽曲のリリック。歌詞カードを見なければ内容を把握するのが困難なほど独特なリズムで単語を「引き裂」いているが、その中でも唯一鮮明に歌い上げられる「背後に死を浴びて 運命を振り切るよう走れ」というラインは、どんな状況でも彼が無くしたくないと考えている強い信念を表しているはず。

また、荘子itのフロウは重力に逆らい飛んでいこうとするような、または地面を強く蹴って駆け抜けようとしているような、音を伸ばすフロウになっている。Kamuiとは対照的に幾つもの単語が音を伸ばすことによってつながっているような響きになっている。

既存の境界線(オブラート)を飛び越え、壊していくのはKamuibug unfixed、つまりKamuiが抱える「切り裂かれ」は痛みを伴うものではあるが、この世界を照らす新たな光源にもなりうるということなのだろうか。