すごい村と巨乳メイドドラゴンと自由意志と決定論

突然だが、最近グッと来たモノTOP3を紹介していこうと思う。

 

まず最初は、クレベール・メンドンサ・フィリオ監督の映画「バクラウ」

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この作品に関してはあらすじを言うとネタバレになってしまう。

別にネタバレしても大丈夫だろみたいな作品の方が多かったりするが、この作品に関しては別だ。

普通に見てると最初は「おい、これ何についての映画なんだ??」みたいな感じで物語の真相が隠されたまま話がグングン進んでいく。

その映画的な腕力の凄まじさと言ったら、もう、ここ最近ではダントツなのでは?と言いたくなる。

あまりに力強い。抱かれてもいいと思える。というか抱いてくれ。

前作の「アクエリアス」も半端なかったんだよな、クレベール先輩。

とりあえず、「バクラウ」はNetflixでも見れる。おすすめだ。マジに。

 

続いてはこちら、テレビシリーズのアニメ「小林さんちのメイドラゴン

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見る前は、「ああ、たまに深夜にテレビつけるとやってるあの手の萌え系アニメというか、ラブコメ的なやつかな」なんて思っていたが、そうではなかった。

萌え系アニメにも2020年台的な新しい波が来てんのか!とちょっと驚かされる作品だった。

簡単にいうと、内容的には擬似家族モノになっている。万引き家族とかワイルドスピード(??)とかと同じだ。

パッと見よくある設定のようだが、主人公を社会人の女性にするだけでこれがなんか、女の子のキャラクターたちがよくありがちなただの性的な消費物として消費されることがほとんどなくなっている。なんなら、同性愛的な部分も割とフラットに描いていると思う。

従来のラブコメ的な、「大嫌い。大嫌い。大嫌い…大好き!!(Ah~)」的なモジモジだけで最終回ちょっと前までいくこともない。

ドラゴンでありメイドである「トール」は主人公の「小林」にもう初っ端から好き好き言いまくっている。だからこれは「好き」の先を描いていく物語であり、もはや夫婦モノですらある。だからちょっと新しい感覚がある。

すごい雑な例えをすると、「ガーディアンズオブギャラクシー」から宇宙とポップソングとマーベルを引いて、ドラゴンとメイドと巨乳を足した感じだと思う。ちょっと違うかな、まあいいや。

巨乳といえば、そこに関しての描き方もちょっと新しいところがある。巨乳なのは女性の姿になっている時のドラゴンたちだけで、それは要するに性的な魅力の象徴というよりかはドラゴンのマッチョ性、強さの象徴として描かれているように思える。

だからこれは単に男が萌えるためだけのアニメではなく、むしろ近年のビヨンセに代表されるような女性をエンパワーメントしていくバイブスをも含んだ(?)萌え系アニメ。そういう新しさだろうなと考えている。まあでも結局、男の俺も萌えているし燃えている。なんか先週くらいからシーズン2も始まってるし、追って見ようと思ってる。

あ、そうだ。オープニングの曲とか、コトリンゴが参加してる劇伴とか、音楽に関しても最近のトレンドの傾向をちゃんと意識してる感じがあってやる気すげえ感じる。アニソンやたらとうるさいギター鳴りがちでまあまあウザいことあったから、あの感じは全然良い。マジに。

 

最後は、小説だ。テッド・チャンの「息吹」

https://www.amazon.co.jp/息吹-テッド・チャン/dp/4152098996

割と最近出たSFの短編集なのだけど、これは最近読んだ小説の中でもダントツでインパクトがあった。というか、すげー面白い。

9つの短編が収められているが、共通するテーマみたいなものがあって、それはいわゆる「自由意志と決定論」というやつだと思う。

運命みたいなものを決定する大きな要因は結局その人間を取り囲む環境であって、人間自身には自由な意思や選択など最初からないのではないか。簡単にいうとそんなテーマだろうか。

だとしたら人間は何ができるだろうか、それにはどんな意味があるだろうかといった部分に対する返答を探し出すために、それぞれの短編は俺たちの時間や言語、コミュニケーションや機械装置など様々なものに対する既成概念を片っぱしから解体しにかかってくる。そもそも、俺たちを取り囲むこの世界って、何なんwみたいな、ね。なんか頭の悪い文章になってきた。まあ要は、全てを解体し尽くすことでその構造を認識しなおそうということだ。

SF短編集なのに一発目の話が古代の中東辺りを舞台にしてたり、機械生命体が主人公の話があったり、色々ブチ抜けている。でも、今SF読むならまずこれ行っといたら?って感じはする。というか単純に俺は読んでよかったっていう。マジに。

 

まあ、これが最近の俺のTOP3だった。またもう少ししてからそれぞれについて書くこともあるかもしれない。バイビー。