「X」鑑賞後メモ

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・(主に女性の)性の解放と、年老いてしまった人たちの抑うつ的な感情とが対比して描かれる。おじいちゃん、おばあちゃんの「解放」は果たして成し遂げられるのか?その儚げな足腰は自ら放つ衝撃に耐えうるのか?

・「解放」を描くことで、映画史のしがらみからも解き放たれたいという意志が強くあるようにも感じた。

 他にも、世代が離れた人間同士が理解し合うことの難しさというか、その間に隔たることがしばしばある感情を浮き彫りにしたかったのかな?なんて思ったり。

・今作がモチーフとして扱う二本の名作映画、物語の構造、ポルノと老人ライフ、喘ぎ声と劇伴、肉体と肉体、若者と老人、そして肉体と鉄。あらゆるものが交差して、血とカオスに塗れながら、やがて新たな地平へ。

・「リコリス・ピザ」の時もそうだったけれど、こういう70年代映画をガッツリとサンプリングしている映画を劇場で観ると、まるでタイムスリップできたような気持ちになれて楽しい。これもやっぱり、現代と70年代の交差?

・「刺す」とか「打ち込む」といったようなアクションが今作の特に後半では象徴的に描かれる訳なのだけど、刺す系は俺苦手なのかもな〜と思ったり。けっこうぶった斬る系のアクションを観ることが今まで多かった気がするから。

・撮影係の女性を演じていた人が地下室であるものを発見した時の表情が変化していく瞬間がとても鮮やかだった。ひとの顔面ってあんな風にぐにゃーって歪むものなのだなと。